仕事の事

仕事はまず整理整頓から

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仕事はまず整理整頓から。

これは昔住宅の設計会社に務めていた頃、担当した新築物件の大工の棟梁から毎日のように言われた言葉です。この言葉の意味と深さを自分なりに理解するのは、出会ってから何年も後のここ最近になってからのように思います。
そんな棟梁の仕事への姿勢から今自分が学べる事。思う事。少し綴りたいと思います。

ある棟梁との出会い

僕はまだ大学卒業の駆け出しで、その時は資格も取っていなかったので、朝から晩まで現場に張り付き、実際の工事の流れや住宅の仕組みや細かな納まり等を勉強していました。

新築住宅…特に木造住宅の工事工程の中で、最も長く現場にいる事になるのは、恐らく大工さんかと思います。
なので、必然的に棟梁とは仲良くなりました。

先輩の設計者や現場監督は、毎日のように差し入れで缶コーヒーを持ってきたりしていましたが、新人でほぼ丁稚(でっち)扱いの僕は、『若いくせに生意気や!』って事で、逆にいつも奢って貰ってました。
自分で言うのもなんですが、多分…いや絶対可愛がられてた気がします。

そんな棟梁ですが、いつ見ても現場が綺麗で道具が整理されていたり、工事中なのに木くずも少なく、会社やお施主さんからも好評のある大工さんだったんですよね。

その秘密は、冒頭の言葉をいつも心掛けているからでした。

仕事は掃除と作業の繰り返し

大工さんは、朝8時くらいから作業を開始して、日が暮れる頃には現場を後にします。
工事現場とはいえお家の中なので、日が暮れると中は陰りますし、第一近隣への迷惑にもなります。
現場によっては朝9時からにして欲しいと近隣から要望が立つこともありますが、決められた時間枠で一日の作業をこなし、しかもお施主さんへの引き渡し日もある程度契約時に決まっている事もあるものですから、大工さんの工期もある程度事前に決められていたりします。

日々時間に追われながら作業する中で、最も気をつけなければならないのが怪我の問題。
大工道具は木を切ったり、釘を打ち付けたり、金具を叩いたりと、危ない道具が沢山あります。安全な道具の方が少ないかも知れません。
痛々しいですが、指が何本か途中で切れちゃってる人。大工さんには結構いらっしゃいます…(*_*;

そんな危ない工具を高い場所や不安定な姿勢で使う事もあるもんですから、現場が工具や材料、木くずや端材で散らかっていると怪我のリスクも高まってきます。
なので、作業しては掃除。また作業しては掃除のセットを一日に何度も繰り返す事で、常に作業のし易く怪我のない現場を作られているように思いました。

棟梁の現場への姿勢

お施主さんも、自分の住む家で工事中に怪我があったとか嫌ですもんね。
それにいつなんどき現場にお施主さんが様子見に来られるかも分かりません。
この棟梁はたとえ作業中の現場であっても、『お家はお施主さんの持ち物であって、自分達は作業に来させてもらってる。道具も置かせてもらっている。』という事も仰っていました。

工事現場で夢のマイホームの仕上がりをイメージして、これから内装の打ち合わせや家具のリストアップなど、まだまだ楽しいイベントが待ち構えているお施主さんに、ガッカリさせたり嫌な気分にさせるのはもってのほか。
プロとして図面通りに作業する事は勿論ですが、お施主さんのワクワクや夢を壊さない事も大事な仕事の一つ。
棟梁の言葉や姿勢には、紛れも無いプロ意識があるように感じます。
それに、なかなか気付かなかったり見えない部分ではありますが、棟梁も会社のイメージアップに陰ながらサポートしてるんだなと。

仕事はまず整理整頓から

家具のネット販売という仕事に携わった当初。
業務時間中の殆どをパソコンの前に座っている事が多く、デスクトップにはタイトルだけでは何のデータか分からない無数のファイル。モニターには殴り書きのポストイットがライオンの毛並みのように張り巡らされていて、キーボードの両脇にはカタログや書類の数々。
ご注文頂いていたお客様からお電話があっても、『はて?どの分だったっけな?資料何処行った??』なんて事が毎日のようにありました。

あの時の僕の様子を棟梁が見たらどう思うか…
恐らく檄を飛ばされるに違いありません。

こんな環境でお客様に満足頂ける接客が出来るはずも無く、ましてや収納家具を販売する身として、なんとまぁ説得力に欠ける事この上ないですよね。

という事で、書斎家具屋の店長としてお客様により良い商品のご提案やお困りごとへのアドバイス等、自分自信の住まい方や考え方も踏まえてお伝え出来るよう、先ずは身のまわりの整理整頓から!

少しずつ取り組んで行きたいなと思います。

ステップアップに整理収納アドバイザーも2級は早々に取りましたが、これじゃあ只の嗜み程度に終わってしまうので、早く1級取得せねば…

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